配線接続間違い〜ミスはなぜ起きた?〜

電力と制御の体験記
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1.間違い(ミス)とは

皆さんは、仕事で間違いをした経験はありますでしょうか。筆者は幾度となくあります。電気の仕事に関わらずです。こと人生においてはそれはそれは数多の間違いを経験しました。

ただ、どれもこれも取返しのつかない間違いではなかったようで今もこうして無事に生活ができています。

ところで、間違い(ミス)って何なのでしょう。筆者なりに考えてみました。以下導き出した表現です。

【ある事象(物事,事柄)において目的を達成しようとするとき、そのための手順やルールを逸脱してしまい、目的に沿わない望まぬ結果が導かれ、その達成がそれまでより困難または不可能になってしまうこと。場合によっては損失を被る。意図せず導かれることがほとんど。】

長いですが、上記は筆者の中での定義です。賛否両論ありますでしょうが大方こんなところだと認識しています。

自動車の運転に例えると以下のようなところでしょうか。

ギアの入替えにおいて、ブレーキを踏みつつクラッチを切り、チェンジレバーを「1st」に入れるつもりが「2nd」へ。「1st」のつもりでクラッチを繋げてエンスト…

よくある話だと思います。上記では結局のところギアを「ニュートラル」に戻した後、エンジン再始動から始めなければなりません。遠回りした分目的の達成に少しだけですが困難が生じています。

先の例は非常に軽微なものですがそれでも時と場合が異なれば困難も多大となり損失も免れないでしょう。

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2.具体例(接続ミス)

ここで、過去に筆者自身がおこしてしまった間違いを取り上げます。電気を仕事とする誰しもが一度は必ず経験するであろうミスです。

端的にいうと「配線接続間違い」です。給排水設備で水位の「High(高)」「Middle(中)」「Low(低)」を監視する接点をつなぎ間違えてしまいました。その時の設備の動きは明らかにおかしく、即座に配線接続を間違えたことに気づかされました。

そのときの制御回路図(正しい接続内容)を以下に載せておきます。不要な部分を除いた図ですので実物とは少し違いますが、起こる現象に違いはありません。

間違いの内容は、フロートレベルスイッチ劣化による交換作業で「High(高)」と「Low(低)」の配線を逆に繋いでしまったというものです(「給排水設備制御回路(入力部2)」のレベルスイッチ結線ミス)。

間違い結線をした後に動作確認をしたところ以下のような動作になりました。

水位が上限に差し掛かり底バルブと送水バルブが開くと同時にポンプも回転しましたが、直ぐに送水動作をやめてしまいます。しかしその後程なくして再び送水動作を始める。そして延々これを繰り返す。

直ぐに結線にミスがあるとわかる動作でした。

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3.ミスの原因

では、筆者のこのミス。原因は何だったのでしょうか。自身で考える答えは明白です。それは「油断」です。当日のこの作業は非常に簡単なもので、線を6本(3セット)つなぎかえるだけでした。ほとんど考えることもありませんでした。この【ほとんど考えることもなかった】ところに落とし穴があったように思えます。

端的にいうと【油断】していたのだと考えています。もっと辛辣な表現をすると【舐めていた】ということになりますが、この表現が一番しっくりきます。

「たった3対程度の配線接続など間違えるはずもない」

そんな意識が間違いを誘発しました。そして、再度結線をやり直すという手間が発生し、ケガや設備の破損こそ無かったものの目的の達成に対し必要のない迂回をする結果となりました。

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4.原因となり得るもの

間違いは誰にでも起こります。しかし極力減らしたいものです。

そこで間違いを誘う内なる(自身の中に起因する)原因を三つだけ取り上げます。

内なる原因を知り、その対処法(心構え)を知りミスを限りなく「0」に近づけたいものです。筆者が実践している心構えも以下に記載します。

1)油断(傲り)

最も間違いを招く原因となりうるものではないでしょうか。「あ〜油断した〜…」などという言葉を自身も口にしたことがありますし、失敗をした人の口から聞いたこともあります。「油断」は不遜であり恥であることを自覚しなければなりません。傲りという尊大な考えが油断を誘うということを知らねばならないと筆者は考えます。

「油断した〜…」は「油断しなければ成功してた。」「もともと自分には能力はあるが油断がそれを阻止した。」と言いたいのですが、自らの実力の見誤りや対象をみくびるということは既に実力不足であり油断などもっての他ということを強く意識すべきだと考えます。

「あ〜油断した〜」の後にやってくるしっぺ返しという現実が何であるのかを強く意識しましょう。

2)焦り

焦りは正しい判断や動作(行動)を確実に阻害してきます。焦ることで鈍る判断と身体能力。焦りに打ち勝つのはかなり難しくなります。

焦りに振り回され過ぎない方法として筆者が実践しているのは「内心どうあれ落ち着いた振る舞いをする」というものです。「なんだそりゃ!!」と呆れる人もいるかもしれませんが、これが意外に落ち着きを取り戻すのに手っ取り早かったりします。

突然のトラブルで内心ドキドキしてても、落ち着いた振る舞いで「了解しました。すぐ対処します。」と言うと案外自分自身も落ち着いて冷静な判断ができるようになることが、これまでもいくらかありました。

3)無知(知識,経験不足)

これに関しては最早「勉強するしかない」です。必要な知識を事前に取り入れておくことも大事ですし、起こしてしまった間違いから学ぶこともあります。

問題は自分が無知であることに気づかないことです。「自分は知っている。できる。」と勘違いしたままであると、その先の学びが発生しないどころか「油断(傲り)」を招きます。

筆者は「世の中知らないことの方が圧倒的に多い」と認識し日々学習が如何に大切かを常々念頭においています。

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5.小さな間違いから学ぶ

今回は、技術的な体験というよりも筆者の間違いからの心構えというところでまとめてみました。生物である限り間違いは発生するものと考えます。しかし極端にいうと、取り返しのつかない間違いでなければいくら間違っても大丈夫なのではないかとも思います。

取り返しのつかない間違いをしないためにも小さな間違いから少しずつ学ぶことがなにより大切ではないかと考えます。皆さんはどう思われますでしょうか。