制御設計と電源~配線・遮断器など~

電気部品・電子部品

1.制御の設計と部品

制御に関する設計を進め実際に思い通りに動かそうとする場合、様々な電気部品や電子部品を扱う必要があります。特にこのサイトでとりあげる産業における制御の設計では数多の部品が登場します。

しかし、そのなかでも頻繁に登場するものがありそれらに関しての仕様や扱いを理解できれば、より設計がはかどり思い通りの動作を実現できることになります。ここではそのような頻出する制御のための機器について説明します。

では、始めます!

2.配線

電気を送るためには配線は言わずとも必要となります。更に当たり前ですが、これは制御盤に留まらず電気を扱う全ての設備や機器で必須の部品です。

ただ、配線も引き回して繋げば良いというわけではなく、その仕様が決められています。

1)仕様

いつも念頭においておかなければならないのは「耐電圧」と「許容電流」です。これを無視した設計をすると、後々発熱による断線や最悪発火の憂き目にあってしまいます。

また、材質や構成も注意しましょう。屋外で使っても問題ないものなのかどうかはポイントとなります。

よく使う種類としては「CV」「CVT」「IV」「WL1」「VVF」などがあり、各々屋外使用で有利であったり盤内使用で有利であったりします。また、耐熱仕様なども存在します。

2)配線番号

配線には必ず番号を付与します。例えばモーターの1番に接続される三相動力の配線には一本ずつ各々「U1」「V1」「W1」、モータの2番には同じ要領で「U2」「V2」「W2」とつけます。

さらにその他の制御に関する配線には図面上の通し番号を付与したり、図面ページナンバーに連動させたりします。

ナンバリングの際に注意することを以下に記載します。

①配線番号は機器の一次側と二次側を境に繰り上げていく。

②端子台を含むただつなぐだけの部品や部位では原則的に同じ番号を使用する。

③分岐している配線も分岐前の番号にならう。

慣れてくると配線番号の付け方や意味合いもよくわかると思います。当サイトでの図面には配線番号も記載しています。どのような箇所で配線番号が繰り上がり、どのような箇所で共通の番号を使用しているのかあわせて確認してもらえれば、これからの設計や保全に確実に役立つものとなります。

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3.漏電遮断器(ELCB)

筆者は制御設計をする場合必ず盤内の電気的最上位にこの漏電遮断器を使用します。後述する配線用遮断器のもつ短絡や過電流に対する保護能力に加え、漏電時の遮断能力も持ち合わせています。しかしその分価格が高くすべての系統に用いるとそれだけで高価な制御盤になってしまいます。よって、原則的には制御盤の上流に組み込みます。

しかし、漏電する可能性が他に比べて高い機器の動力系統などでは特別に個別の漏電遮断器を組み込む場合もあります。

漏電遮断器の注意点で特筆すべきことを以下にまとめます。

1)三相回路か単相回路か

まずは三相回路か単相回路かを見極めましょう。

三相交流回路は3本の配線と接地線から成り一般的には電源側が各々「R」「S」「T」「E」と記号がふられ負荷(モーターなど)が各々「U」「V」「W」「E」と記号がふられます。「E」は共通して接地線となります。

単相の電源は通常単相3線式という同じく3本の配線と接地線から成りますが、使用においてはその3本のうち2線と接地線を取り出して負荷に接続します。どこから取り出すかによって、AC100[V]の電源となるかAC200[V]の電源となるかが変わります。記号は「R」「N」「T」「E」とふられ、「E」は例に漏れず接地線です。通常「N」と「R」または「N」と「T」の組み合わせで100[V]、「R」と「T」の組み合わせで200[V]が取り出せます。

これらの電源に合わせて選定、または配線をしましょう。また型によっては一次側と二次側各々に三つある端子のうち二つだけを使用して単相用とするものもあります。

2)電源電圧に注意

設計または使用する回路の電源電圧に注意しましょう。最近ではAC100[V]〜AC400[V]までをカバーする仕様になっているものが多くありますが、そうでない場合も想定し、選定する方がよいかと考えます。

3)定格電流の確認

漏電遮断器には「定格電流」というものがあります。原則この値以上の電流をその回路に生じさせてはいけません。

しかしながら電気使用機器には突入電流などがあり一瞬だけ定格を超えることがあります。そのような場面を想定し、漏電遮断器には定格に対する電流倍率とその通電時間により遮断の条件が定められています。

例えば「定格電流30[A]以下の配線用遮断器では、定格電流の1.25倍の電流で60分以内に遮断すること」などです。

詳しくは電気設備技術基準の解釈第33条に記載されています。

4)遮断定格の確認

遮断器には「遮断定格」や「定格遮断電流」というものがあります。定格遮断電流とは短絡がおきたときどれほどの電流値までならその遮断器で切り離すことができるかの値です。配線抵抗などが関係しますがあまり安価なもので低い定格の場合、いざというときに動作できなかったり、破損したりが考えられます。

かといって無意味にグレードの高いものを選定すると設計した制御盤の価格が無駄に上がってしまいます。

丁度よいところを選定するべきですが、最初のうちは時間がかかっても、理解のためにある程度をオームの法則を用いて計算することをオススメします。

慣れてきたら配線の材質や径,長さで目安ができてきますのでその経験値で選定できるようになります。

5)漏電感度電流

漏電感度電流」とは読んで字のごとく、漏電発生時その漏電電流の大きさのどこをしきい値とるするかの値となります。まさに漏電遮断器たる機能で段階的にその感度を切り替えられるものもあります。

あまりにも厳しすぎるものを選ぶと漏電電流の無効分などで反応してしまい、また緩すぎるとかなりの量漏電していても反応しません。

決まりとしては電気設備技術基準にて「最大使用電流(変圧器基準)の1/2000[A]以下に抑えること」というものがありますので目安にすると良いですが、電源の上流にある漏電遮断器より緩い設定値にしてしまうと、上流のものしか動作しないということになりますので注意が必要です。

また人体の感電より先に、そして確実に遮断動作をさせる目的がある場合は必ず接地線とセットにして考えるべきです。…というより如何なるときも必ず接地と一緒に用いるべきです。

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4.配線用遮断器(MCCB)

配線用遮断器は漏電遮断の機能をもたない遮断器です。つまり過電流や短絡電流の遮断用という位置づけです。

各負荷の単体の回路に組み込んだり、制御回路の上流に組み込んだりします。筆者は、漏電遮断は主幹上流の漏電遮断器に任せ、各負荷の過電流などは配線用遮断器に任せるという設計思想を基本としています。

もちろん特に漏電しやすい環境にある機器では個別に漏電遮断器を使用します。

特筆事項は先の漏電遮断器の1)〜4)と同じですのでそちらを参照ください。5)は機能として存在しませんので考慮の必要はありません。

5.サーキットプロテクター

サーキットプロテクターとは小容量の電力において過電流や短絡電流を遮断する機能をもつ機器です。小容量とはいえ定格電流30[A]くらいのものなら市販されています。

小容量対応ですので制御回路に組み込みやすくまたコンパクトです。これまではヒューズとヒューズボックスで組まれていたものがこれで消耗品ではない保護機器として置き換わることが可能となりました。

筆者は、ここ最近はヒューズよりこのサーキットプロテクターを多用するようになっています。

6.パワーサプライ

パワーサプライ」とは「パワー」を「サプライ」するもの、さしずめ「電力供給器」といったところでしょうか。この場合は特に直流の電源になり得るもののことをいいます。別名「AC/DCコンバーター」です。

少し前から制御盤では直流の電源をつくり利用することが必須となってきています。それは精密な制御用のコンピュータなどの普及によるものです。パワーサプライはこれらのような機器に電力を供給するための電源機器となります。

画像の上奥部分の端子が一次側で交流電源接続部になり、同画像下手前部分の端子が二次側で直流電源供給部となります。

以下注意すべき点を記載します。

1)一次側電圧

パワーサプライは交流電源を直流電源へと変換する能力があります。一次側に元となる交流電圧を印加しますが、このときの電圧には充分注意が必要です。よく筆者が使用するのはAC100[V]~AC240[V]まで使用可能なものですが、ここにAC100[V]専用という意味の記載がある場合はそれ以上の電圧を印加してはいけません。もちろんAC240[V]までの場合もそれ以上を印加してはいけません。

2)二次側電圧

選定時や使用時に必ず二次側が直流の何[V]なのか確認しましょう。よくみるラインナップではDC5[V]~DC48[V]くらいまではあるようです。とても重要な項目となりますので以降に接続する機器をよく確認のうえ選定してください。

3)二次側電流

これも重要な項目です。電源機器にはすべて供給できる定格があります。二次側の出力電流値の定格をよく確認のうえ以降に接続する機器の容量や台数を決定してください。もちろん負荷機器の容量や台数にあわせてパワーサプライを選定するということでも問題ありません。

ここまで、まずは制御盤設計及び製作に必要な電源に関わる部品をみてきました。これからさらに他の部品についても説明していこうと思います。

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