調節計の利用〜センサーの翻訳係〜

電気部品・電子部品

1.調節計とは

ここでは「調節計」とよばれる部品について説明します。

まず、調節計とは英語で「controller」や「regulator」と訳される機器で、その名の示すとおり調節の役割を担うものです。

もっと専門的に表現するなら、「制御対象を目標の値に合致するように(自動)操作する機能を有する計器,機器」というところでしょうか。

このときの制御対象とは様々で、タンク内温度や圧力,配管内流量を増減させる機能をもった機器であったりなにかしらの重量を制限する機能を持った機器であったりと、実に多くの要素があります。

これらの動作に必要な要素をセンサーといういわゆる検知器で測り取り、その信号を調節計に送ることで受け取った調節計が目標となる値との差を計算し相応の出力を出すことで、さらにその出力を受け取った機器(制御対象)が出力のとおりに動作する、という仕組みです。

以下に水槽の温度制御と配管の流量調整という二つの例を取り上げた、調節計の働きにおける模式図を載せていますので参考にしてみてください。

 

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2.調節計への入力

メーターリレーの記事でもメーターリレーへの入力について触れましたが、調節計もまた調節をするために対象の現在値を知る必要があるので、その入力を要求します。

調節計への入力役を担うのは前述にもあります、センサーというものです。センサーはその種類が多岐にわたり精密さにおいても非常にシビアなものから、ある一定の範囲をまもってさえいればそれで良いものまで様々です。このシビアさを「精度」といいます。とにかくセンサーは非常に多くの種類が開発され世の中に出回っています。

しかし、調節計への入力信号の種類としてはセンサーのそれよりは限定されています。温度を拾うセンサーからの信号こそ数が多いようにみうけられますが、それ以外では先ず「4-20[mA]」と「1-5[V]」という入力範囲と種類をおさえておけばよいでしょう。

多くのセンサには「センサーアンプ」という電気信号への変換器がセットになり調節計に対して上記のような信号を出せるようになっていますので調節計が受け取れるような信号を出せるセンサーやアンプを、もしくはセンサーやアンプが出す信号を受け取れるような調節計を選定しましょう。

温度においては多くの調節計が直接センサーから受け取れるようになっています。

また重量については通常ロードセルという重量信号発信器と調節計までをセットとして考えるほうがよいでしょう。これに関しては重量計において、ロードセルと調節計の開発,製造が同一メーカーで行われていることが理由となります。

3.調節計からの出力

調節計からの出力は接点によるON/OFFでの出力形態であったり、微弱な電圧や電流によるリニアな出力形態になります。各々がどのように動作するのかをみていきましょう。

1)接点出力

単純な機能で説明すると、目標値に対し超えているか下回っているかで接点の状態を変化させる出力のしかたです。一見メーターリレーや警報計とどう違うのかわからないところですが、このような単純動作をさせるのみならばメーターリレーなどと明確な違いはありません。

2)アナログ出力

アナログで出力する方法です。出力信号としては入力の項目でも出てきました「4-20[mA]」や「1-5[V]」が使われることが多いです。

ここで、「?」がつく方もおおいのではないでしょうか。センサー側から例えば「4-20[mA]」が調節計に入力されるとしてそこからまた「4-20[mA]」が動作対象機器に向かって出力されるのなら「調節計はなんのためにあるの?」とはなりませんか?

一見してセンサー側から動作機器に信号を直接入れたらいいと思われるかもしれません。

しかし悩む必要はありません。調節計はあくまで調節計ですので、ちゃんと役目をはたしています。

具体的にはセンサー側からの信号と調節計からの出力信号が同じ種類のものでも、それらの数値と意味は全く別物です。極力シンプルに説明すると、センサー側から調節計が受け取る信号は「現在値」であり、調節計から制御対象機器に向かって出力される信号は「操作量」です。

現在値は実測の今ある状態を数値化したもので、操作量は現在値と目標値の差を埋めるための数値です。

つまり調節計は現在値と目標値のギャップを認識し、それを埋めるための操作量を計算し出力するという役割を担っているのです。

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4.調節計選定及び設定項目

調節計には必ず設定を必要とする項目があります。だいたい共通で必要となるものやこれをおさえておけば先ずは使えるというものを記述します。

1)入力信号種別

入力信号の種類を決定する項目です。選定時にどのような入力信号なら受け取り可能なのかを予め確認しておく必要があります。

そのうえで温度センサーからの信号を入力できる場合であればセンサーが「測温抵抗体」というものなのか「熱電対」というものなのかを見極めさらに各々タイプを見極めて選定または設定する必要があります。

また、電流入力なら「4-20[mA]」,電圧入力なら「1-5[V]」をまず確認して選定または設定します。しかし、選定したセンサーやアンプによりその他の入力を決定する必要があるときもありますのでしっかりと確認しておくべきです。

2)出力信号種別

出力信号も入力信号同様にその種別を決定する必要があります。この場合は調節計の命令により動作する機器つまり制御対象に依存します。

入力信号の場合と異なる点は「接点出力」か「アナログ出力」かということです。選定時に必ず決定しておかなければならない項目です。入力種別はある程度ならば調節計内部設定で選択が可能であったり、センサー側のアンプでなんとかなる場合がありますが、出力におけるこの項目の選定は特に要注意です。

接点出力を選定した場合は動作機器がON/OFFで動作するものであるべきです。

また、アナログの出力を選定する場合でもやはり電流入力なら「4-20[mA]」,電圧入力なら「1-5[V]」,その他を制御対象機器をみて選定または設定すべきとなります。

3)入力信号スケーリング

入力信号を調節計内に取り込んだとき内部でどのような数値に置き換えるかの設定項目です。これにより表示部にどう表示され目標値をどのような数値で設定するかが決定されます。調節計内部での設定の項目です。

例えば「4-20[mA]」の範囲において4[mA]時は「0」、20[mA]時は「5000」と決定すると表示や設定値は「0〜5000」の間での表現となります。

4)目標値の設定

目標値をあらためて説明すると制御対象により増減する要素を一致させたい値ということです。「SP」や「SV」などともよばれることがあります。これも当然のことながら調節計内部に設定するものです。

この目標値と現在値が速やかに合致するように調節計は操作量を出力することになります。

例えば制御対象がお風呂の温度で、それを42[℃]一定に保ちたいということならば、目標値を「42[℃]」と設定します。先に記述しているスケーリングに誤りがないことが前提となります。

この目標値の設定により調節計はセンサーから受け取った現在値との差違を埋めるような信号を出力します。

5)制御方法の設定

制御の方法とはいかなる計算方法で出力を決定するかの方法のことです。今回は頻出の「ON/OFF制御」と「PID制御」の概要について簡潔に説明します。この項目も選定や配線接続端子による設定ではなく基本的には調節計内部で設定するものとなります。

①ON/OFF制御

至って単純な制御方法です。目標値を下回っているか超えているかで出力の有無を決定します。出力種別はおのずと接点出力になります。

例えば加温を目的とした制御で使用する出力用接点をa接点で接続したならば、現在値が目標値を下回っている場合に出力有すなわちa接点ON、超えたら出力無すなわちa接点OFFとなります。

ただしこの場合の調節計での制御において特に意識すべきは「ヒステリシス」というものです。これは目標値にある程度の幅をもたせ、目標値直近での入力信号のブレなどで頻繁にON/OFFを繰り返さないようにすることを目的として設定するものです。

例えば100[℃]の目標値があったとしてヒステリシスを±1[℃]とすると、出力の有無については以下の手順を辿ります。

①常温から制御開始(温調スタート)

②目標値(100[℃])に対し現在値は常温であることから温調出力(例.a接点をONにしてヒーターや蒸気などの加温機器に動作指令)

③加温動作が続けられ、温度が100+1[℃]つまり101[℃]を超えた時点で調節計が出力を停止

④出力が停止されたので加温機器も動作停止

⑤上昇した温度は加温の無いなかでの放熱により冷えていく

⑦100-1[℃]つまり99[℃]を下回った時点で再度調節計より出力

⑧加温機器が動作を始め温度が上昇していく

⑨以降温調動作自体を停止させられるまで③〜⑧の間でループ

以上がON/OFF制御の概略となります。

②PID制御

PID制御は目標値にいち早く到達させ、さらに目標値付近で現在値が振れることなく制御できるように工夫された方法です。

P;比例,I;積分,D;微分の計算を調節計内部で行い、より安定的に制御できるように出力調整がなされます。

出力方法は主にアナログ信号を用いたものになりますが、接点出力にも対応できます。

簡単にですが調節計に設定するP,I,D各々に関するパラメーター(ゲイン)がどのように作用するかをまとめます。

P;数値を大きく設定すると早く目標値に到達するが、大きすぎると目標値付近で数値が上下に触れる現象(振動現象)が起き、小さすぎると目標値到達前で落ち着いて誤差が発生してしまう(定常偏差)。

I;定常偏差を軽減する。

D;振動現象を軽減する。

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だいたいこれくらいの項目を設定し、使いこなせると調節計が思いどおりに使用できるのではないでしょうか。その他使用する可能性のある機能としては警報出力や伝送出力なとがありますが、現在の調節計では3桁を超える設定項目が用意されているものも多いです。

さらに調節計の中には、時間などの要素で目標値を予め設定していたとおりに変更する「プログラム調節計」というものもあります。

必要に応じ、よく取扱説明書を読み解らなければメーカーに問い合わせるなどして誤りなく使用できるように準備してください。

調節計を使いこなせれば、制御設計や保全の幅がこれまた大きく広がるのは間違いありません。

不明点などあればお問い合わせからご質問ください!

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