電気エネルギーの正体

電気の基礎
スポンサーリンク

1.そもそもエネルギーとは

「エネルギー」という単語は既に専門,専門外を問わず広く世の中に知れ渡っている単語となっています。ではこの「エネルギー」、実際どのようなものなのでしょうか。筆者のことばで一言で説明するとしたら「熱量そのものまたは熱量に換算可能な現象」と表現します。

「熱量」を「仕事」に言い換えてもよいと思いますが、この場合の「仕事」は業務という意味ではなく、「ある物体に力が加わった結果どれだけ移動したかや形状変化をもたらしたか」という物理学上の数値になります。移動や形状変化をまとめて「変位」と考えてもらって差し支えありません。

実は電気エネルギーも熱量換算が可能です。熱量の単位である「ジュール[J]」は電力の単位である「ワット[W]」に時間を掛け合わせたものになります。

Q = Pt [J]

P = Q/t [W]

上記の二つの式は表現こそ異なりますが、結果的な意味としては同じです。以下はこの式で出てきている記号の意味です。

熱量:Q[J],電力:P[W],時間:t[s]

また、エネルギーを仕事で表現した場合の基本式も記載しておきます。以下のようになります。

W =  FΔx [J]

仕事:W[J],力:F[N],変位:Δx[m]

エネルギーを語る上で熱量や仕事の概念は外せないということですね。

スポンサーリンク

2.エネルギーの源

エネルギーとは熱量や仕事であるということは先の式からも理解できるかと思います。

では、いろんなエネルギーはどのような現象からどのようなタイミングでエネルギーとして発現しているのでしょうか。

1)熱エネルギー

熱エネルギーという言葉から先ず連想されるのは「燃焼」ではないでしょうか。

燃焼とは物質が酸素と結合する際に激しく熱や光(炎)を放出する現象をいいます。

「発現タイミングはいつ?」に対する答えが出ていますね。燃焼では物質が酸素と化学反応を起こす際に大量の熱を周囲に撒き散らすこととなります。その影響範囲に温めたいものを持ってくると温度が上がるということなのです。

そして燃焼の熱影響により温められたものはその内部に熱としてのエネルギーを蓄えることとなります。

2)位置エネルギー

位置エネルギーは物質が基準面、すなわち地表面から垂直方向にどの高さにあるかということと、物質そのものの質量で決まる仕事として蓄積された量のことです。物質が重ければ重いほどそして位置が高ければ高いほど位置エネルギーは大きくなります。

質量をもつ物質が高い位置にあるだけですでにエネルギーを保有していることになります。

さらにその位置から落下し始めたとき、保有する位置エネルギーは後述の運動エネルギーとして解放されることになります。

3)運動エネルギー

運動エネルギーとはある質量をもつ物質がある速度で運動している(移動している)ときにもっている仕事の量です。

重ければ重いほど、そして速ければ速いほどしかも速度の2乗に比例して、できる仕事の量は大きくなります。(実際には最終的に1/2します。)

運動エネルギーは動きがあるのでその時点でエネルギーの様子を目で捉えることができますが、もっと顕著に現れる瞬間は運動中の物質が別の物質にぶつかる瞬間でしょう。運動中の物質の持つエネルギーが大きければぶつかる相手となる物質を弾き飛ばしたり変形させたりしますが、運動エネルギーが小さけば逆に弾き飛ばされたりします。

スポンサーリンク

2.電気の正体は?

エネルギー全般の概念に関して説明をしてきましたが、やはりこのサイトは電気の専門サイトということですのでここでは電気エネルギーについて解説をします。

1)正体は電子

燃焼による熱エネルギーの正体は酸素が関係する化学反応、位置エネルギーや運動エネルギーの正体は質量や(加)速度、すなわち力と変位でした。

では電気エネルギーの正体は何でしょう。一言で言うと「電子の移動」です。

電子」は原子を構成するひとつの要素で、物質(原子の種類や結合方法)により固く縛り付けられていたり自由に動き回れる環境にあったりします。そのうちの自由に動き回れる電子、「自由電子」が実際に動き出したときに電気エネルギーが発生します。

この電子の特徴は「マイナスの電荷」をもっているということです。平たく説明すると電気の発生条件が整うと電流の生じる方向と反対に走りたがる性質があるということです。

もっというと電子が走りたがる条件が整うこと自体が電気エネルギーの源の発生と言えます。

2)電子を動かす

電子が動き出すと電気エネルギーが発生するということですが、どうやって電子が走りたがる条件をつくり出せばいいのでしょうか。その最もポピュラーな方法が「電磁誘導作用」です。電気と磁気の相互作用のことです。

相当考え方の柔軟な人はこの時点でピンとくるのではないでしょうか。そうです発電機です。

発電機による電磁誘導作用で電子が走り出したくなるような環境を作り出しているのです。ここに関しては別の記事で簡潔に説明していますのでそちらを参照ください。

電磁誘導作用によりたくさんの電子を一気に同一方向に走らせる環境をつくることができると、より大きな電気エネルギーをつくりだすことができます。

いずれにしても電気エネルギーの最小単位は「電子」であり、これが移動することによってエネルギーとして利用可能なものになるということです。

大人気の「電ドラボール」に低トルクハイスピードタイプが登場しました。携帯性と利便性が両立はそのままに、回転速度を上昇させ回転トルクを下げることで使いやすさが大幅に向上しました。実際に筆者も使用していますが初期型よりも使いやすさが格段に向上しています。もともとおすすめな電ドラボールがよりおすすめに!

スポンサーリンク

3.電子を拘束した後エネルギーとして利用

前項で電子の移動こそ電気エネルギーの正体であり、たくさんの電子が移動せざるを得ない環境をつくりだすのが発電機であることも述べました。もちろん電池も電子の移動を促す環境となります。これらは無理やり電子を一部に押し込め拘束する能力をもっており、この電子の拘束状態で「回路」という電気エネルギーを利用可能なシステムに接続し、さらに電子を開放することでその移動をエネルギーとして利用できるようにしているのです。

以上、イメージだけでもできましたでしょうか。皆さんの学習の役に立てたなら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。