接地抵抗計〜接地抵抗の測り方〜

電気計測

1.接地抵抗とは

このサイトでも「接地」という単語はしばしば出てきています。「アース」ともよばれるこの配線(工事)は、電気を使用する機器などにおいて本来のルートから外れたところに電気エネルギーが漏れ出した場合(漏電時)に、その周囲の財産や人体への影響を軽減するためのものです。

また、漏電遮断器という漏電を検知して回路を遮断するための機器を確実に働かせるためにも必要となるものです。

更に、変圧器という電気機械器具を使用した電圧変換の際の一次側と二次側間での電気的接触(混触)時における低圧側での電圧異常上昇を抑える働きもあります。

接地の目的から説明しましたが、では接地抵抗とはどこに対する電気の通りにくさをいうのでしょうか。

ズバリ、大地(地球)に対してです!

接地工事は大地に「接地極」というものを打ち込み、そこから地表に接地線を取り出すことで施工します。

この地表に取り出した配線(端子)から大地および接地極が打ち込まれている地中(土壌)の電気抵抗を接地抵抗といいます。

2.接地工事の種類

先程接地の目的をいくつか説明しました。接地には目的に応じた施工基準があります。

以下にその種類と基準を記載します。

1)A種接地工事

施工箇所:高圧または特別高圧機器の金属製外箱など

抵抗値:10[Ω]以下

接地線径:軟銅線2.6[mm]以上

2)B種接地工事

施工箇所:高圧または特別高圧から低圧へ変圧する変圧器の低圧側中性点や混触防止板など

抵抗値:150を一線地絡電流で除した値

接地線径:軟銅線4[mm]以上

3)C種接地工事

施工箇所:対地電圧300[V]を超える低圧機器の金属製外箱など

抵抗値:10[Ω]以下

接地線径:1.6[mm]以上

4)D種接地工事

施工箇所:対地電圧300[V]以下の低圧機器の金属製外箱など

抵抗値:100[Ω]以下

接地線径:1.6[mm]以上

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3.接地抵抗計

接地抵抗を測定するには専用の計測器が必要となります。ということは専用の測定方法も学ばなければなりません。

先ず、接地抵抗を測定する機器を「接地抵抗計」といいます。そのままですね。

画像は接地抵抗計の機能と絶縁抵抗計という測定器の機能を有する2in1の測定器です。また、本体の周囲に写っているのは接地抵抗計測用のリードと補助極用のピンです。これらを使用して接地抵抗を測定します。

1)測定準備

測定に関する準備について説明します。

接地抵抗を測定するには先ず、測定対象である接地極とは別に「補助接地極」というものを用意する必要があります。

図のように電圧読取り用と電流読取り用(測定電源用)の補助接地極が必要となるわけですが、接地極と各補助接地極は一直線上で各々順番通りに10[m]の間隔で地面に埋められることが望ましいです。

しかし、測定点の周りがコンクリートなどで補助接地極を地面に差し込むことが難しい場合、コンクリートの上に水で浸したウエス(布)を被せて対応することもあります。

2)測定方法

アナログとデジタルの二種類のタイプがありますが、やることは基本的に同じです。以下、手順を説明します。

①地電圧測定

先ずは「地電圧」というものを測定します。これは通常0[V]とされる大地において、周囲の影響等により電位上昇が無いかどうかを事前に確認する作業です。

これが高い値であると接地抵抗に大きな誤差を生じます。だいたいの測定器で地電圧10[V]以下であれば測定可能と判断するようです。

地電圧測定はアナログタイプであれば切替スライドスイッチを「V」等マークで表示されている地電圧測定ファンクションに合わせます。その時点で指針が触れ、地電圧を表示します。

デジタルタイプでは接地抵抗測定の開始(スタンバイ)を意味するスイッチ(画像内では「精密」のスイッチ)等でディスプレイに自動的に地電圧が表示されるようです。

いずれにしても1)で準備した配線のまま測定します。

そして地電圧が高く、測定影響が大きいと判断される場合は測定対象の接地を利用している機器の電源を切る等で対応する必要があります。

②接地抵抗測定

補助接地極の設置と地電圧クリアという準備が整った後、ようやく接地抵抗測定に入れます。

測定は簡単な操作になります。

アナログのタイプでは測定用の押しボタンスイッチを押し、測定電圧をE,C間に印加します。

その状態でこの場合に検流計として働く指示計の指針が0(先の画像では◆マーク)にくるようにダイヤルを回します。そして0になったときのダイヤルの読みがそのまま接地抵抗の値となります。

デジタルのタイプでは更に容易です。測定準備が整ったら「測定」またはそれに類するボタンを押すだけでディスプレイに測定抵抗値が表示されます。

これ一台で絶縁抵抗と簡易接地抵抗の測定が可能です。精密測定コードセット7245Aを揃えれば精密接地抵抗測定も可能となります。

この他にも補助接地極の用意が困難な場合に簡単にでも接地抵抗を知りたいときのための「簡易接地抵抗測定」もあります。

電気設備点検を生業とする人の中には「この接地抵抗測定が電気保安や点検の要だ」と言う人もいます。その理由としては兎にも角にも恐ろしい漏電という現象から人体や財産をまもることが挙げられ、そして後に説明する「絶縁抵抗」を測る際の大切な基準となるということからです。接地工事が正しく施されてなければこの絶縁抵抗の値を正しく知ることはできません。それどころか本当は劣化しているのに健全であると出てしまうことさえあります。危険です。

そんな大事な接地とその測定ですので正しく判断できるようにおさえておきたい項目のひとつですね。

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