ノイズ影響初体験

電力と制御の体験記
スポンサーリンク

有線でもやっぱりノイズ

皆さんの中にはノイズの影響を数値により体験されたり機器動作により体験された方もおられるかと思います。

とくに無線通信の世界ではノイズによる影響での通信不具合はよくある話なのではないでしょうか。

そのあたりの話は無線通信に詳しい人でなくてもどこかで聞いて記憶に残るくらい有名な話かと思います。

ただ、有線における信号のやりとりでは、過去に一度もその影響を目の当たりにしたことはありませんでした。よく扱うアナログ信号でも有接点無接点問わずのディジタル信号でもいろんな弱電流電線においてノイズの影響により機器動作が狂うということはありませんでした。

スポンサーリンク

ノイズってなにものよ?

実装前動作試験でも実機でも散々弱電流を扱ってきましたがただの一度もノイズが影響しおかしな動作になるのはそれまでみたことがありませんでした。

「それはシールドのおかげだろ!」って声もありそうですが、色々みてきたなかではシールドのしっかりしたものもあれば緑青でボロボロのシールドも、そもそもシールドのないものもみてきました。しかしどのケースでも動作は確かでスペックに対して精度が落ちているようなこともありませんでした。

しかし!遂に目の当たりにしてしまいました…

スポンサーリンク

ハマりにハマった数値異常

「takuさん、うちの秤の指示計がピーピーうるさいんだけどこれなんスか?」とよばれて行ってみると、確かに指示計がピーピ…ピピッピーーーピッ…という具合にうるさい……

同時に表示部の数値がパラパラぱらぱら落ち着かない状態も見受けられました。おそらくゼロ点すら定まらず時折計量上下限をオーバーすることで発報しているのでしょう。

ちなみにこの秤、ロードセル(重量計測用のセンサ)のある計量作業場と指示計は直線距離で15m以上離れています(なぜそんな設計なんだ!)

「あー、こりゃ半断線かな?そういえばこの前この秤の半断線っぽいとこあったな。線振ったらその現象は消えてしまったけど、たぶんそこだな。」くらいに思って早速チェックです。

重量信号を集約する和算箱というボックスから指示計にその信号を送る配線のまさにつなぎ目から300mm以内に劣化と思しき箇所があるので、切除し再結線。…結果はなにも変わらずでした。「なんで?」他に半断線と思えるところを探すもそこ以外はキレイなものでした。

ならばと、指示計への入力端子部で電圧測定。電圧が振れる振れる…入力端子部を離線し配線のみで再度電圧測定したところやはり電圧は安定しません。

「さてはロードセルか!」

早速指示手配しロードセル交換を実施。念の為デモ用の指示計も準備して。

結果は変わらず。全く安定しません。

それどころか予備のデモ用の指示計でも同じ症状が!

「え?配線以外全て新品か新品同様だぞ!」

この時点で残すところは「配線」のみです。

でも断線チェックもクリアしているものなので可能性は低いような気もします。

スポンサーリンク

呆気なく完了

すがる思いで配線を準備しいざ交換。それまでの症状はまるで無かったかのようにピタッと数値が安定しました。

原因はノイズだったようで後日劣化ケーブルと同様の状態の配線でしかも1mという短さで、更にその現場とはかけ離れた場所(すでに敷地内でもない)での再現実験で証明されました。

「有線においてノイズの影響など無いに等しい。それ以外の明確な原因があるはずだ!」と決めつけ、自身が目にしたことの無い情報は相手にしない。こういうスタンスが今回復旧に対する時間を遅らせてしまいました。

いま起きている現象を先入観なく正確にとらえ最も効果的であろう処置を施すことが設備保全者の役割であると認識し、かつ誇りに思っていたつもりですが結果は全く違った自分の傲りと未熟さが露呈した瞬間でした。

これを反省し実直な考えと行動ができるよう今後も精進します。

大人気の「電ドラボール」に低トルクハイスピードタイプが登場しました。携帯性と利便性が両立はそのままに、回転速度を上昇させ回転トルクを下げることで使いやすさが大幅に向上しました。実際に筆者も使用していますが初期型よりも使いやすさが格段に向上しています。もともとおすすめな電ドラボールがよりおすすめに!