1.電験三種を取得しよう!
「第三種電気主任技術者試験」、通称「電験三種」は電気技術者を目指す方々には登竜門となる試験で有名です。この資格は電気技術の基礎知識を備えていることの証明となり、保持者は職場や仲間内でも一目置かれる存在となります。これは、筆者の経験上でも同様であり、特に試験合格者は周囲から「電気の専門家」として扱われます。
もっとも、試験に合格したのみではまだまだ駆け出しという部分も否めませんが、この資格を上手に利用して実務経験を積めば不足する電気技術者のうちの重要な一人としてカウントされますので多くの場面で有利に働くことは間違いありません。
いずれにしても前述しているとおり電気技術者は全体を通して不足気味でありその中でも電気主任技術者は特に不足しているということをしばしば耳にします。ということは、取得しておいてなんの損もしない貴重な資格であるということはいうまでもありません。
そもそも、国家資格で合格し免状を手に入れた後に一生更新の必要のない資格は取得後なんの荷物(重荷)にもなりません。電験三種もそんな資格のひとつです。やる気が湧いてきたなら勉強しない手はないということです!
2.良書の入手は必須
どんな資格にも、よっぽどニッチな資格でない限り参考書や問題集といものが市場に出回っています。電験三種の参考書やテキストはこの資格が人気資格であるために相当多くの書籍があり、大きめの書店では一つの棚が全て電験三種の書籍で埋め尽くされていることも珍しくありません。だからこそその選定がすでに難易度の高い作業になってしまっています。
電気に関する学習、特に電験三種の学習を始められた方で「どんな参考書を選べばいいの?」「問題集は何を基準に選べばいいの?」という方は多いのではないでしょうか。ですが実はすでにこの時点で学習は始まっています。このことはあまり知られていない事実だと思います。理由としては書籍選定時点で自身のレベルを把握していなければならないこと、そしてそのレベルに合わせた書籍の選定により直後の学習の進捗を左右するからです。
とはいっても自分がどのレベルにいるのかわからなかったり、書籍選定の指標もいまいち不明であるという方もおられると思います。そんな皆さんに筆者が絶賛おすすめの【良書】を紹介していきます!!すごく自信があります!!そしてその良書の活用法も合わせて説明いたします。超凡人の筆者が実践して合格を勝ち取ることができた方法ですので同じ行動をされたなら高確率で合格できるのではないでしょうか。
3.おすすめ紹介
では、筆者のおすすめ書籍を紹介していきます。
ここで紹介する書籍は筆者が実際に学習で使用して役立てたものや今から再学習するならという観点から実際に書店で手に取り中身を確認し「これは良い!大いに役立つ!!」という確信のあるものです。筆者が使用していたころとは新版改訂などで多少の変更はあるかと思いますが、調査したところ劇的に変わっているということはないようです。
1) オーム社 電験三種過去問詳解
10年分の過去問を収録した問題集です。
電験学習でも過去問への取り組みは必須といえます。筆者は先ず過去問をひたすら解くことから学習を開始しました。はじめのうちは問題の意味すらわからず、解答解説と問題文を行ったり来たりしますが後述のテキストと合わせて解説の理解からゆっくり入っていくと、そのうち解説の言わんとする意味が解るようになります。
こうなればあとは解法を自ら導き出すための作業へと移行できます。こういう工程を各問題で実行することで本試験での獲得点数が積み上がっていきます。トライ→エラー→検証調査→理解→記憶の順で過去問を制覇していきましょう。さらにその次のステップで高速で過去問を消化するトレーニングをすることでより確実な力をつけていきましょう。
この問題集で一つ注意すべきは問題のすぐそばに解答解説が載ってしまっていることです。これは、問題に取り組んでいる最中に解答が目に入ってしまい、解法の導きの妨げになってしまいます。これを解消するために筆者は解答を隠して使用していました。隠す方法は人それぞれかと思いますが、すぐに目につかないようにすることが必須ではないかと考えます。
これさえ注意するならばこの問題集は確実に【良書】といえます。なにより過去10年分も収録してくれて、この10年分×4科目×18問(法規は13問)を丁寧に解説してくれているのですから、良書でないわけがありません。
筆者の電験三種合格はオーム社の過去問学習が最初のエンジンであったことは間違いありません!!
2)電気書院 電験3種これだけシリーズ
筆者がボロボロになるまで使用した参考書です(特に理論,法規。3年使いましたから…)。
とにかく大いに役立つ参考書です。
まず各項目は必ず導入部分で少しレベルを落とした問題から入り、これを解説することでその項目で問われている意味を理解しやすくしてくれています。次に例題で本試験と同レベルの問題について解説があり、さらに同じ項目の問題を別のアプローチや別角度からの問いとして解説してくれています。そうして各章の最後に章末での問題が用意されています。この章末の問題の解答解説は後部ページにまとめられており簡単には目に入らないようになっています。
非常にわかりやすく体系立てられて説明されていることはもちろん、多角度からの電気に関する問いかけや、問題と解答を別けて掲載してくれているところが学習者目線です。筆者がこの書籍で学習した結果、電験三種の問題を通して電気に対する理解をより深めることにも大いに役に立ったと感じています。単なるテスト勉強の域は超えさせてくれる書籍であるということですね。
迷ったら「これだけシリーズ」を選定でいいと思うくらい【良書】です。
3)電気書院 電験3種 科目別直前予想問題集
実は電験三種は過去問とテキストのみの理解だけでクリアできるような試験ではありません。過去問の制覇とテキストにある内容の理解はただ必須であるということです。そのうえで本試験では真の理解を求める応用問題の出題が当たり前のようにあります。
「電験では過去問と同じパターンの出題はほとんど無い」という話は本当です!筆者は「理論」と「法規」に関しては3年も連続で受験しているのでその辺の事情はよく知っているつもりです。
では、どうすればよいのか…
過去問とテキストを理解したうえで初見の問題に挑むのが手っ取り早いです。過去問は年に1回しか新しい問題は出ません。当然ですよね。ですが、予想問題集では専門の著者の方が電験の傾向から初見に近い問題をいくつも用意してくれています。
電気書院の電験3種 科目別直前予想問題集ではその名のとおり毎年予想問題を収録してくれているので実力を知り弱い部分への対策がとれます。各科目を試験形式で3セットも用意してくれているので力試しと理解不足の洗い出しにはもってこいです。
不足部分を補い獲得点数の底上げを狙いましょう!
4.本試験は実力の8割が出せれば御の字
あくまで筆者の経験ですが、本試験は普段学習よりもはるかに緊張することで実力の8割が発揮できれば御の字ではないかと思います。ただでさえひねった意地悪な出題であるのにそこへ緊張というコンディション面のハンデを抱えて乗り越えることを要求されます。
ということは普段学習が如何にブラッシュアップされているかが合否の分かれ道となります。
筆者が紹介した「過去問」「テキスト」「予想問題(初見の問題)」の各クリアという三段構えは筆者のような凡人でも充分実力を蓄えることのできる鉄板手法だと考えています。あとは、「継続は力なり」です。愚直に学習を重ねた人のみが「合格」という勝利を手にすることを許されます。
ただ、無理をしすぎないように少しずつ少しずつ力をつけていければよいのではないかと思います。
5.どうしても学習が続かいない場合
やる気はあるけど普段の業務の疲れや難航する学習への手ごたえの無さから学習が続かない人も中にはおられると思います。そんな方はどうすればよいのでしょうか。続かないから手段は無いのでしょうか。
筆者はそうは思いません。
普段の業務はやはりきついです。頭も体もへとへとで帰ったのにそれからさらに勉強なんて考えただけでもゾッとしますよね。理解するまで時間のかかる数学と電気理論に当初のやる気をそがれてしまう気持ちも大いにわかります。
そういう場合は通信教育や講習に申し込むのも大いにありでしょう。少し費用が掛かりますが、そこにはある程度の強制力が働きますし、なによりすでに先行投資している(会社などに投資してもらっている)という考えも原動力になるかと思いますのでそういう力を使うのも正攻法のひとつかと思います。
以上、第三種電気主任技術者試験へ臨む方への書籍紹介と勉強法の解説でした。書籍に関しては筆者の使用の経験をもとにした意見ですのでかなりの確率で皆さんのお役に立てるのではと自負しています。
日々の学習、その努力に敬意を表します!それは絶対に無駄になることはありません!断言できます!!これからも全力で応援しています!!