制御ってなに?

制御概要
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1.制御とは

制御」とは…どんなものか感覚的に知ってはいても言葉で説明するとなると今一つよくわからないという人も多いのではないでしょうか。

名は体を表すといいます。まず字体からその意味をみてみましょう。

「制」には掟やルールという意味があり、「御」には人心や動物を操るという意味があります。このまま解釈するとルールを決め人やその他動物を操るというような意味合いに聞こえますね。しかし、ここでいう制御は人の心や生き物に対することを述べるわけではありません。

実はこの「制御」、JISではちゃんと定義されています。その定義を以下に記載します。

ある目的に適合するように、制御対象に所要の操作を加えること

流石は公的な記述。一言で多くの事例をカバーできるように表現されています。

ですが、どことなくそっけなくまた、とても難い表現と感じるのは筆者だけでしょうか。もっと学習者にやさしい表現はないのでしょうか。そもそも「制御」の言葉の意味を調べる人に対して「制御対象」という言葉を使用したのではせっかくの説明も少し意味が通じにくくなってしまうかもしれません。

以下、筆者なりに噛み砕いて表現してみました。

制御とは意のままに思い通りに現象(主として機械や情報)を操ること

これで少しでもわかりやすくなっていたら幸いです。

ところで、JISも筆者も記述した「操作を加える」「操る」とは具体的にどのようなことをいうのでしょう。実際は押しボタンスイッチやタッチパネルなどのインターフェイスから人間側の指令を与えセンサーやオートスイッチで基準や限界値を測りとり…という表現は少し脇に置いていきましょう。

おそらくは扱うことはなくてもせめて目にしたことはあるかと思われるもので、ゲーム機などの「コントローラー」があります。まさに「操作」をするための部分です。これでモニターに映し出されたキャラクターなどの描画情報を操ります。

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2.身の周りの制御

私たちの身の回りでは生活上でも思っているよりたくさんの制御に囲まれています。冷蔵庫、洗濯機、テレビ、電子レンジ、(自家用)車、…数え上げればいくつでも出てきますね。

これらはみな、それぞれが持つ目的に応じて操られているから役に立つもの(機械)として購入され使われるわけなんです。

例えば全自動洗濯機、目的は衣類の自動洗浄ですよね。このときその洗濯機と思しき箱に全く自動洗浄能力(動作)がなかったとします。これは端から全自動洗濯機ではなかったということで箸にも棒にも掛からぬ存在、ただの箱です。

では洗濯機と思しき箱に確かに洗浄動作の能力があったとします。衣類と洗剤を洗濯槽に入れ電源を投入し、いざ洗浄動作開始!!…あとはただただ洗濯機のモーターが回転し衣類をかき混ぜ…

いやいや、待ってください。それでは全自動による衣類の洗浄動作を目的にしていたにも関わらず衣類は生地が傷みぼろきれのできあがりです。目的を逸脱しているどころか損失がでてしまっていますよね。

全自動洗濯機というからには、 衣類と洗剤を人が洗濯槽に入れ → 洗濯スタートのスイッチオン(ここまで人間の操作) → 衣類の量に合わせて水を投入 → 洗い動作 → すすぎ動作(繰り返し) → 脱水動作 → 洗濯完了お知らせ という具合に少なくともこれくらいはやってくれないと困ります。

制御には上記の一連の動作を自動でやってくれるところに醍醐味があります。

洗濯機の制御失敗で即座に人の生命にかかわることは考えにくい(一概にそうとは言い切れません)ですがこれが自動車ともなるとその失敗がすぐに人命にかかわることとなります。

先の全自動洗濯機の例なら「衣類の洗濯を極力人手のかからないように完遂」という目的に対し、水のバルブ動作や洗濯槽のモーター動作、排水バルブ動作などを思い通りに操作することが必要となってきます。

このように制御によっていろんな機器が人の思い通りに動かされ目的を達成するように操られることになります。

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3.制御のメリット,デメリット

ところで、制御を加えることで得られるメリットとは何でしょう。そもそもメリットがあるのでしょうか。

皆さんもすでにお気づきかもしれませんが、ここでいう制御はいろいろな利点をもっています。もちろん何にでも裏はあるもので、デメリットも持ち合わせています。

では、その両方をざっと紹介します。

1)メリット

①人間がひとつひとつの動作に介入しなくてもよくなる(省人化)

②人間の筋力を駆使しなくてよくなる(省力化)

③適正なタイミングで制御されれば時間の短縮が図れる(時短効果)

④繰り返し動作などが速く処理される(高速化)

⑤人間による間違いを減らすまたは無くすことができる(安全化,正確化)

2)デメリット

①制御の導入のための初期費用が大きくなる

②制御の構築に専門知識を要する

③故障時の復帰に専門知識を要する

④暴走や故障によるリスクがある

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4.人間の身体能力を超えて

上記のように制御というシステムではメリットやデメリットをいくつかもっています。それでも人間の能力の及ばないような大きなパワーを要する作業や高速な情報処理で制御は欠かせないものとなっています。また、正しく導入し正しく扱うことで非常に有用であることもメリットから見てとれます。是非人間の役に立ちリスクの少ないまたは無い制御システムの恩恵にあずかりたいものですね。

以上、制御ってなんだろうという漠然とした疑問にお答えいたしました。

なんとなくでもご理解いただいたでしょうか。

次回からはその種類やその動作の詳細について見ていこうとおもいます。

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