単相交流と三相交流

電気の基礎

1.交流電源の種類

電源の種類は大きく直流(DC)と交流(AC)に分類されます。直流は電池などに代表され、イメージしやすいですがここでは交流電源についてすこし詳しく解説します。

交流電源にはさらに二つの分類があります。その二つとは「単相交流」と「三相交流」です。そんな単語はじめて聞いたという方もいるかと思います。なるべく直感的に丁寧に話を進めますので、ぜひ気負わず聞いてください。

1)単相交流

単相交流とは2線1対の配線で供給する交流電源のことです。ちなみに「」は本来「段階」や「局面」などを表す言葉ですがここでは「」また「ペア」と考えてもらえればよいです。つまり単相ですので2本の線でワンペアということです。

また、交流電源ですのである瞬間どちらかがプラスになる側とマイナスになる側とがあります。勘の良い人はここで疑問があるのではないでしょうか。

「ある瞬間プラスとマイナスがあって、常々入れ替わっているのならどちらもプラスでもマイナスでもない瞬間もあるのでは?」

そのとおりです!入れ替わりがあるのなら「ゼロ」のときもありますよね。それを表したのが以下のグラフとなります。既出ですがもう一度載せておきます。これに関してはちょうど、振り子が行って戻る瞬間のような動きを想像してもらえば良いと思います。

もっと直感的な理解にするために以下のような図で表現します。単相交流電源から供給される電流をコマ送りでみた図となります。負荷が純抵抗というものであれば電流は電圧に応じたうごきになります。

電流の方向があちらこちらに入れ替わっている様子がわかるでしょうか。これが単相交流電源から供給される電気の流れとなります。

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2)三相交流

三相交流とは3本の配線で供給する交流電源のことです。電気は普通プラス側から電流が生じマイナス側へと流れ込んでいくという常識を覆しかねないものが突然やってきました…

どういうことなのか…

3本の線と作用のしかたについて簡単に説明します。

A,B,Cと記号を振った配線が3本あるうち2線ずつを取り出してペアをつくると「AとB」,「BとC」,「AとC」という具合に三つのペアができますね。これらのペアは各々単独でも電源として作用することが可能です。

ただ、可能というだけですので大きな負荷を単独のペアの配線間にかけてはいけません。バランスが崩れて電源としての質の低下に繋がってしまいます。。

三相交流の「三相」はこの単独で電源となり得る「相」が三つあるということです。そしてそのそれぞれのペアでバランスするようにかかる電圧と生じる電流が三相交流です。

イメージとしてはどれかが強く押せば(プラス側電圧印加)残りの二つがバランスをとるように引き(マイナス側電圧印加)、またどれかが強く引けば残りの二つがバランスをとるように押す、といった具合です。

以下にその様子を表すグラフを載せます。正直筆者も初めて見たときは「は?」でした。当時さっぱりわからなかったというのが印象にあります。

先の単相交流のようにコマ送り的な表現をしてみます。

ここでひとつ注意です。以下の図で電源や抵抗が三角形に接続されたものがでてきています。三角形でつながれた電源がまさに三相交流電源を表しています。そして同じく三角形に接続された抵抗を三相負荷といいます。特にこの場合はいずれもR[Ω]でありバランスがとれているので三相平衡負荷といいます。電源も負荷もバランスしているのでこれを三相平衡回路といいます。

さらにこの電源や負荷の接続の形を「Δ結線(デルタ結線)」といいます。これとは別にアルファベットの「Y」いう字をさかさまにしたような接続方法がありますがこれを「Y結線(スター結線)」といいます。いずれの場合と組み合わせでも電源と負荷の関係は成り立ちますが、配線間または相間の電圧や電流の関係が少し変わります。

少しでもイメージできましたでしょうか。

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2)分電盤からみてみる

各々の電源は電力会社から供給され構内の電気設備で利用可能な形に変換されています。そういう意味では真の電源は発電所であると筆者は理解しています。

しかし、普段の生活や仕事で使用する意味での電源は、コンセントやブレーカー(遮断器)、トランスやパワーサプライなどの接続や緊急遮断、電力形態の変更を伴う場所のことを指します。いわゆる関所みたいなところですね。

これら身近な電源の代表である「分電盤」にて単相交流と三相交流をみてみましょう。

分電盤は皆さんのご自宅にもある、遮断器が集約された箱のことです。

1)単相交流の分電盤

単相交流の分電盤はほぼ確実に一般家庭でも見かける分電盤です。おそらく一度は電子レンジとホットプレートの同時使用でブレーカーが落ちたりして、その際に操作したことがあるのではないでしょうか。

ただ、ここでとりあげるのは工場やビルなどでよく見かける分電盤を例に話をします。

よく、「電灯盤」や「電灯分電盤」とよばれるこの箱には、まさかの3本線で電力が供給されています。

「さっきまで単相交流は2線1対なんて言ってたろ!!」…と、言われそうですが順を追って説明します。

先ず始めに、電力会社では三相交流での発電機により電力を生み出しています。ということは発電所から電気を使用する場所つまり需要家まではこの三相交流での供給となるわけです。

そして大きなビルや工場ではそれを受け取り、構内で受変電設備にて使用可能な状態に変換します。この使用可能な状態にするときに単相交流電源へと変換されます。

通常は任意の2線から電圧を下げると共に単相の交流へと変換します。ただし、この方法では電力の不平衡の問題が起きることがあります。これに関しては使用する三相と単相の電力における比率で考え、結線のやり方で解消しますが、それでも解決しない場合もあります。

このとき利用される機器に「スコットトランス」という特殊結線の専用変圧器があり、これにより三相交流電源から電源品質を損ねることなく単相交流電源を作り出すことができます。

いずれにしてもここで取り出す単相交流電源は基本的に「単相三線式」といわれ、3本の配線によるものとなります。

では、いざ使用するとなるとどのようにするのかですが、その答えが電灯分電盤に詰まっています。

3本の配線をそのまま箱内へ導き、そのうち2本を使って単相用の機器へと供給するというわけです。そしてこのときどのペアを選択するかで、通常ではAC100[V]なのかAC200[V]なのかが決定されます。

つまり単相100[V]で使う機器にも単相200[V]で使う機器にも対応できる電力を取り出せるということになります。

ここでひとつ注意があります。高圧の電力を引き込んでいる需要家以外、つまり低圧の電力を引き込んでいる場合、三相交流による動力を任意で単相交流に変換して使用することは電力会社との取決め上禁止されています。よって、単相交流の電灯用の取決めと三相交流の動力用の取決めを混同しないように注意が必要となります。

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2)三相交流の分電盤

三相交流の分電盤はまず一般家屋では目にしないかと思われます。たまにあるところもあるようですが…

通常はやはり工場などでよくみかけるものとなります。

電灯分電盤のときより素直で、電力会社から送られてきた高圧の三相交流電源を単相交流のときと同様に受変電設備内の変圧器により電圧を下げ、そのまま分電盤に送られていると考えてください。

制御盤で制御回路として使用する目的など、ごく小容量の電力を除き必ず3本の配線をワンセットとして機器に繋ぎます。繋ぎ込む負荷機器は三相交流専用のもので電動機(モーター)や熱源機器(ヒーター)があります。

特に三相交流電源は電動機の駆動に有利です。産業用に広く普及している電動機は「三相誘導電動機」といい、機械的構造がシンプルで頑丈であることが特徴です。その中でも「かご型三相誘導電動機」はさらにシンプルかつ頑丈につくられます。

別の大きな特徴として、回転速度の調整も比較的容易であるということが挙げられます。選定時における「極数」という巻線のしかたによる回転速度の選択や「スターデルタ結線」方式そして「インバーター駆動」などで回転速度の変更が可能です。

話を三相交流に戻しますが、前述のように3本がワンセットであることからもうっすら推測できるとおり、配線の間にかかっている電圧はどの線間でも等しくなります。

用途としてはそのほとんどが産業用の熱源や動力源として用いられます。そのことからよく「動力盤」や「動力分電盤」とよばれます。

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以上、単相交流電源と三相交流電源について説明しました。双方の特徴と使用方法についてご理解いただけたなら幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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