気になる
「前から気になってるけど…普段の点検結果でも問題なしとはいえ、でもなにか違和感あるんだよなぁ…」と、感じる対象は「非常用低圧幹線」でした。
そう感じた理由は他の常用のケーブルよりかなり古く、他がほとんどケーブルなのにそこが絶縁電線であるなどいくつかの状況からでした。
とにかく絶縁チェック
気になったらもういろんな想像が頭の中を巡ります。ですが、セオリーのとおりまずは絶縁抵抗を確認。
すると、結果は3線とも絶縁抵抗値が1.2[MΩ]。
「ん、んん〜〜〜…やっぱり低い…というかこの前より下がってら…」決して基準値(0.2[MΩ])を下回っているわけではないけどとても健全とは言い難い値でした。
「よし、試しに雨の日を狙って測ろう」ということで雨の日に実際に測定してみました。
その結果は全て0.05[MΩ]。基準値を大きく下回っているではありませんか!これは由々しき問題です。直ぐに対応を開始しました。
幹線の更新
①非常用発電機は停電のときにその真価を発揮すること、②停電は落雷を伴う大雨のときなどにおきやすいのは皆知っていること、③その雨の日に使い物にならないどころか危険であること、を説明したとたんに臨時で承認を得ました。
早速準備に入り、工事開始です。
なんで水が大量に?
準備も完了し、いざ作業着手!
いきなり目を疑いました。非常用の低圧幹線の電路を遮断し、電線を切除したとたんにボチョボチョと水が出てくるのです!
「は…?ありえん…古い水道管じゃねーし、電線なんですが!」
驚くばかりでしたが工事を止める理由があるわけもなく、それどころか早くこの状態から逸脱したいので、粛々と進めることにしました。
無事引き替え作業も完了した後、再度絶縁抵抗測定。結果はどの相でも対地間50[MΩ]〜∞(インフィニティ)[MΩ]。工事完了です!
当たり前だけど点検って大切
水道のような電線の原因は、いつからかはわかりませんが接続部の一部にビニールテープを巻き付けただけの箇所があり、そこから長年かけて水が侵入したことによるものでした。それが雨の日には顕著に出たということです。当然ですね。
普段の点検結果から気づきが生まれトラブルを未然に防ぐことが出来るという大事な一例だと思います。放置して誰かが感電なんかすると、と思うとゾッとします。
後日談としてはこれの分岐回路ももはや信用できないので、順次引き替えを実施しました。
皆さんご安全に!!